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肩こりは全国的にかなりの数の人が抱える症状です。

町で石を投げたら肩こりの人に当たるかどうかは分かりませんが、実態として多くの方が抱える症状であることは間違いありません。

肩こりというと訴えとしては首から肩甲骨の間あたりまで、かなり広い範囲に及びますが、特に訴えが多く重要度も高いエリアは下の図のあたり、一般的に肩井、肩中愈というツボのあたりです。

この辺りに肩こりを感じ、自分で揉んだり叩いたり、湿布を貼ったり、塗り薬をしたり、処方された薬を飲んだり、さらには電気治療器をかけたり、マッサージ、整骨院、整体、鍼灸などに通っても、一向によくならない、またはその時はいいけどすぐもとに戻るんだよね〜、なんて経験のある人は多いはずです。

そのことを「生活の中で負担かけてるから」とか「歳だから」等々いう理由で納得し「肩こりは治らないからメンテナンスしながら付き合うもの」というイメージが巷に広がっていると思います。

 

実際はそんなことはありません。

仮に生活の中で負担をかけて肩こりが再び起こるにしても、数日から1週間くらいで元通りになるからメンテナンスしなければならない、という考え方には違和感を覚えます。

一般的な感覚としても、1週間くらいでもとに戻るものを「治った」とは認識しづらいはずです。半永久的に無症状か、いくら何でもせめて1〜3ヶ月くらいは無症状あるいは寝て体を休めたら楽な状態に戻る、という状態が「治った」という感覚ではないでしょうか。

ではなぜそういう一般的な「治った」というケースが少ないのでしょうか。

 

 

○肩こりが治らない理由

 

一般的な「治った」ケースが少ない理由は大きく2つあります。

ざっくり言うと「患者側の問題」と「施術者側の問題」です。

「患者側の問題」は分かりやすく言うと「日々の生活環境」や「その人の心や体のあり方」がどうであるかということ。

「施術者側の問題」は「施術において原因にアプローチできていない」ということです。

「患者側の問題」を直接解決するのが「養生」

「施術者側の問題」を直接解決するのが「治療」という言い方もできるかと思います。

実のところ、この2つは切り離せるものではありません。

よい養生というのは「施術者側の問題」の問題まで解決できますし、よい治療というのは「患者側の問題」まで解決する力があります。

「患者側の問題」はまた別の機会に回すとして、ここでは「施術者側の問題」について考えます。

つまり「原因にアプローチできていない」のはなぜかということです。

 

一般的な説明では「肩井や肩中愈辺りの筋肉は何層かになっていて、奥の方にまで効果が及ぶには何回も繰り返さないといけないから」ということをよく聞きます。

ですが鍼の局所治療や最新式の電気治療器のように表面の固さに邪魔されることなく奥の方にアプローチする方法がありますし、手技でもそういう技術があります。

肩こりの治療というとイメージするのは症状の出ているところへの施術です。薬を塗る、揉む、動かす、鍼を刺す、方法は違えどアプローチしている場所は同じです。

それでも解決しないということは「本当の肩こりの原因は別にある」ということになります。

 

 

○肩こり解決のヒントは連動にあり

 

ではここでちょっと自分の体で体の簡単な構造を確認してみましょう。

 

①椅子などに腰掛けた状態で、まず肩井のあたりを触ります。手のひらでもいいですが指3本くらいで触ると分かりやすいと思います。

②そのまま触れた肩井の側の手の指を動かします。肩井のあたりの筋肉は動きますか?動きませんか?

③手で確認したのでついでに足でも確認してみましょう。同じように肩井に触れた側の足の指を動かします。肩井あたりの筋肉の動きはどうでしょうか?

 

②の手の指を動かした場合。これは誰でも想像がつきやすいと思いますが、肩井の辺りが動くのが感じられます。実際肩こりの治療に手に施術する方法は割と一般的です。

③の足の指はどうでしょうか?この場合でも肩井のあたりは動くのが感じられます。これはさすがに実際に触ってみないと想像は難しいと思います。

 

人体には体のパーツとしては離れていても、体の動きとしては直接的な繋がりがあり、この動きによる繋がりを「連動」と呼びます。連動に注目することで肩こりの本当の原因が見えてきます。

連動の視点から人体を見てみると肩井、肩中愈などの肩こりポイントは全身様々なところから影響を受けています。

肩に直接施術してその場のこりが無くなったとしても、例えば手や足の問題が残っていれば当然その影響で肩こりは再び現れます。

つまり「肩こりを本当に解決するには肩こりポイントと連動する各所へ施術し、そこの問題を解決することが必要」だということです。

「手や足の問題」などと書いていますが、実態としては手や足の筋肉の緊張です。

手や足の筋肉は常に肩井や肩中愈あたりと互いに張力を保って体の動きを作っていますが、手や足の筋肉が極度に緊張すると張力のバランスが崩れ、動きが悪くなります。それを知らせるサインが肩こりなどの体の症状です。

つまり「肩こり治療とは肩こりポイントに関わる体の連動の調整」であると言えます。

 

 

○連動に着目した治療法「活法」「整動鍼」

 

当院で採用している活法は連動の仕組みを利用して患者さん自身の動きや術者の施術から連動の調整をします。

同じく活法にヒントを得て生まれた整動鍼ではさらに細かく連動システムを分析し、連動の作用点であるツボを鍼で緩めることで連動の調整をします。こちらも当院で採用しています。

「連動」から見た人間の体の動きというのは呼吸や内臓の働きも含みますから、そういう視点で見ると体はどんな姿勢でも、起きていても眠っていても常に動いています。

常に動いているので、連動が正しく調整されると体の動きやすさは瞬時に変化します。

そしてその状態が体の動きの基本状態として脳に記憶されると、少し疲れが溜まったくらいでそう簡単に連動の不具合が起きたりはしません。

当院の活法・整動鍼を使った治療に即効性、持続性があるのはそのためです。

連動という人体のシステムを知り、それを調整する方法が分かると肩こりが治らない理由も分かります。

活法・整動鍼を学び、体の連動に注目する鍼灸師、柔道整復師が全国に増えています。

肩こりに長く悩まされることのない世の中が少しずつ始まっています。

 

活法・整動鍼について詳しく知りたい方はこちら

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次回は「患者側の問題」について考えます。